活動休止のお知らせ

【活動休止のお知らせ】

 

こんにちは。

ボーカルのケガニです。

松ノ葉楽団は8月末をもって、活動休止いたします。

 

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歳を取れば取るほど、まわりで活動休止を宣言するバンドは増える。

そりゃあお葬式や結婚式なんかと同じで、時がたてば今あるものが別のものに変わっていくのは当たり前だ。

でも、自分たちが活動休止をするなんて想像もできなかった。

活動休止の理由は、音楽性の違いや人間関係のトラブルといったロックっぽいものではありません。このことが決まってから、まるでもう自分が幽霊になってしまっていて、京都で起きるすべてのことが薄い半透明のフィルムの向こう側にあるような気がしている。それは心ここにあらずという意味ではなくて、演劇の途中で僕だけ言うべきセリフが終わってしまって、舞台の上でみんなを眺めているような気分だ。目の前で起きていることなのに、ああ、ここはこんな風だったな、この人はこんな人だったなと懐かしい思い出のようになっている。

 

セカンドアルバムを出したばっかりなのにとか、順調に活動しているのにとか、思うところはたくさんあるけれど、別れはいつも突然やって来る。やり残したこともたくさんで、一緒に演奏したかった人もいるし、行きたかったところもたくさん。曲だってもっと作って、CDも、レコードもなんて思っていた。

けれども、いったん一区切りがつくという段になってみると、むしろひとつひとつの演奏が大切に思えてくるし、今まで演奏してきた曲への愛着がどんどん湧いてくる。

 

その後はどうなるのだろうか。

こういうのは自画自賛になるから言うべきじゃないのかもしれないけれど、僕のバンドメンバーはみんなとても優しく素敵な人で、優柔不断な僕を導いてくれた。演奏技術はもちろんのこと、彼らの人柄や魅力によってきっと別のバンドや演奏に引っ張りだこになるだろうと確信している。

CDだって、もうしばらくは売れ残るだろうし(売れ切ったところで儲かるわけではないのだけど)、興味のある方にはぼちぼち買ってほしい。また、松ノ葉楽団の曲はほとんど著作権フリーなので、僕たちに一言もらえればカバー・録音・再生・複製等々なんでもありである。演奏できなくなった曲を、何かの拍子に思い出してもらえればこれほど嬉しいことはない。

 

自分がいなくなった後のことを想像するのは、とてもつまらない。

想像するたびに僕は、友だちの気合いの入ったライブを観たり、ちょっと一杯ひっかけに街に繰り出したりしたくなるから。大好きな人々と、ライブハウスの隅っこで、あるいは飲み屋のカウンターで、安いハイボールなんか飲みながら、これから僕らはいったいどんな音楽を演奏すべきか、なんて答えの出ないような話をえんえんとし続けていたくなるから。

残り一か月と少しの間、もう一生酒なんて飲みたくなくなるくらい乾杯しに出かけようと思います。

この文章を最後まで読んでくださった人、ありがとう。もしまたどこかでお会いできれば幸いです。

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コメント: 2
  • #1

    青島 (金曜日, 18 11月 2016 19:27)

    残念です。でも、仕方ないです。
    一度、ライブみたかったな。

  • #2

    ケガニ (水曜日, 30 11月 2016 01:13)

    ありがとうございます。
    またいつか!